ブロ愚

日々徒然と妄想文

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ほくろ
即興で短編書いてみたら短っ……800字ないです。続きからどうぞ。
テーマは「電波」と「無限ループ」
えーっと多分、綾……主……?












 はい、俺は嘘を吐きました。

 誰も彼もが否定するんです。どうしてだろう。だから俺もつい、意地を張っちゃって。
 本当はですね、本当に、神様は本当にいたんだ。呼べば現れて傍にいてくれた。ただし夜の間だけ。昼間では駄目なんだ。日の光は強すぎて、大切なものまで明かりで見えなくしてしまうから。彼の手はいつだって白くて、冷たかった。血が通っていないんだ。神様だから。
 姿形は俺と鏡写しだった。けれど右……ああ、鏡だから左だ。左目の目尻に黒子が、そう、泣き黒子があった。ささやかなものだったけれど。ほら、見て、俺に泣き黒子なんかないでしょう。
 だから、彼は神様だったんだ。俺が笑えば笑ってくれた、俺が泣けば泣いてくれた、苦楽を共にしたんです。十年もの間。神様なんです。守ってくれたから。だって俺のことを****と呼んだり、*ったり、*したりした大人たちは皆、巡礼が地上の聖地を徘徊した揚句そうするように、彼の御許へ召されたのですから。
 え? ああ、聖書は一度だけ読みました。内容はもう殆ど覚えていません。俺の知る神様のことを書いている訳ではなかったし、キリスト教徒でもないんです。だったらどうして巡礼なんて喩えを使ったんだろう。かみさま、かみさまなんて、居るわけ無いのに。俺は散々、そんなこと、わかりきって。
 すいません、鏡、こっちに向けないで下さい。苦手なんです。自分の顔は好きじゃなくて。十年くらいかな、ずっと忌避し続けてきたんです。そういえば何でだったかな。そうだ、黒子。右の目尻の黒子を笑われたことがあったんです。今思えばこんな小さいもの、なんてことないだろうに。
 でも、彼は否定しなかったんです。素敵だよって褒めてくれた。それでも俺が嫌がるから、じゃあ頂戴って言って持って行ってくれた。だから神様には黒子があるんです。

 はい、俺は嘘を吐きました。


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。